利益が同じでもキャッシュフローは違う?
利益が出ていてもキャッシュフローは
必ずしもプラスとは限りません。
これは、キャッシュフローは利益だけでなく、
棚卸資産の増減や売掛金の増減等にも影響されるからです。
売掛金の増減の簡単な例で見ていきましょう!!
以下を前提とします。
前提① 売上が200円
前提② 原価は140円
前提③ 販管費で40円
前提④ その他は発生していない
→そのため、利益は20円(①-②-③)
前提⑤ 原価と販管費は現金で払い済み
これを売上200円の回収方法を
パターン1~3の3つに分けた場合を見てみます。
まず、確認していただきたいところは、
売上の回収方法のパターン1~3全てにおいて
「Ⅰ利益」は20円だと言うことです。
売掛金の回収方法と、
利益は関係ないのです。
売上を現金で回収しても、
売掛金としても、同じ売上なのです。
次に、それぞれのキャッシュフローを見ていきます。
■パターン1
売上の回収がすべて現金のため
売上入金200円 – 原価140円 – 販管費40円 = 20円のキャッシュフローとなります。
この場合は、利益とキャッシュフローが一致します。
■パターン2
売上の半分を現金で回収し、残りを売掛金としたため
売上入金100円 – 原価140円 – 販管費40円 = ▲80円のキャッシュフローとなります。
パターン1に比べ、売掛金とした100円分が
売上入金を減らしましたので、キャッシュフローが100円減っています。
■パターン3
売上の全てが売掛金のため
売上入金0円 – 原価140円 – 販管費40円 = ▲180円のキャッシュフローとなります。
パターン1に比べ、売掛金とした200円分が
売上入金を減らしましたので、キャッシュフローが200円減っています。
利益とは関係ない部分でキャッシュフローに影響が出る
売掛金が増減することによって
キャッシュフローに影響がでていることが、
ご確認できたと思います。
利益とは関係ない売掛金の増減(回収サイトの違い等)で
キャッシュフローが変化するのです。
今回の売掛金だけでなく、
買掛金、棚卸資産等の増減等でも
キャッシュフローは違ってくるのです。
利益だけを追い求めるのではなく、
キャッシュフローも同時に追い求める必要があるのです。

武渕 将弘

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